FX取引の通貨えらび


FXでは様々な通貨を取引できますが、どの通貨がいいのかお悩みのかたも多いはず。
そこで、それぞれの通貨の特徴について考えてみます。

先進国通貨

ドルを筆頭とした先進国通貨は取引量が多く、日々ニュースが報道されます。
スワップ金利は低めなので、為替変動による差益狙いがオススメです。

■USD - 世界の基軸通貨

世界最大の経済圏、アメリカ合衆国の通貨です。
円高・円安の指標としてUSD/JPYのマーケット情報が毎日のように報道されており、注目度の高い通貨です。

ちなみに、世界のFX取引はUSDを含むペアで全体の87%を占めています(国際決済銀行 2013年)。
そのため、アメリカの経済指標は世界中から注目されており、その結果によって世界中の通貨が影響を受けます。

世界で一番取引量の多い通貨は、第2位のEURとのペアであるEUR/USDで、これが全体の24%を占めています。
最近は日本でもメジャーになり、USD/JPYよりもこちらで取引するほうが多いようです。

日本時間の夜9時頃からは、アメリカとヨーロッパの取引時間帯が重複していることから、非常に取引高が多くなります。
そのため急激な変動はせず、基本的にはトレンドに沿った素直なチャートになります。

USDが一番動くのは、毎月第一金曜日の21:30に公表される失業率統計です。
これの結果で政策や消費、景気動向に影響があるため、各FX会社からも相場の急変に注意するようアナウンスされることが多いです。

ほか、消費大国であるアメリカは、小売売上高や住宅関連といった消費動向の指標で相場が大きく動きます。

■EUR - 世界第2位の経済圏

2002年より使われ始めたヨーロッパ圏の共通通貨。

地理的にアメリカと近く、EUR/USDのペアはFX取引全体の24%を占めており取引高は1位です。
ちなみにEUR/JPYのペアを扱っているFX会社は多いですが、地理的に離れており経済的な結びつきが薄いこと、時差の関係で取引時間帯が重複していないことから、取引高は全体の2.8%と非常に少ないです。

■JPY - わが国の通貨

日本人にはおなじみ、日本国で使われている通貨です。

特徴は政情が非常に安定しており世界第3位の経済圏を持つこと、またゼロ金利政策を続けていることです。
政策金利の変更がほとんど見込めないことから、日本の経済指標が発表されても市場にはほとんど影響していません。

円はゼロ金利であることを生かして、円を売って高金利な通貨を買う円キャリートレードが主流です。
そのため、世界全体が平穏になると投資意欲が高まって円売りが加速します。反対に何らかの事件が起きると、投資意欲が縮小して円の買い戻しが入ります。

また、USD/JPYが大きく変動すると、日銀の介入が噂されるようになります。そのため相場が急変すると、どのラインを超えれば日銀が介入してくるかということが市場のテーマになり、限界を試すような動きとなります。
そのようなときは要人発言に注意です。その発言によって、相場のトレンドが変わることがあります。

■GBP - 値動きが激しい通貨

イギリスで使われている通貨ポンド。
値動きが激しく、デイトレードに適した通貨だと言われています。

かつては値動きが激しいことから差益狙いに人気があった通貨ですが、最近はEUR/USDで取引できるFX会社も増えてきたことから、影が薄くなっているように思えます。

■CHF - 世界の安全通貨

永世中立国として有名なスイスの通貨です。
その政策ポリシーから、ユーロへの加盟もしていません。

ゴルゴ13で有名なスイス銀行はスイス銀行法に基づいて運営されている銀行の総称です。匿名性、守秘性が徹底されているため、世界中の富豪から預金が集まっています。
また、永世中立を世界に認めさせるため国民皆兵に基づいた軍事力を保有しており、このことから「スイスフランは金より硬い」と言われます。

このような性質から、スイスフランは有事のさいの安全通貨として見なされています。

ただ、最近ではテロ資金撲滅やマネーロンダリング防止の観点から、スイス銀行法を改正する圧力も強いようです。

高金利通貨

■AUD - スワップ狙いに適した通貨

オーストラリアの金利は高く、スワップ狙いに適した通貨です。
AUDを保有すると毎日スワップ金利が受け取れるため、預金代わりに運用することができます。

過去に政策金利が非常に高かったことからスワップ狙いで日本人に人気があった通貨であり、「羊」の愛称で呼ばれています。
しかし、最近では金利が下がり始めているため以前ほどの人気はありません。

そして高金利狙いの市場参加者が多いことから、政策金利の動向が非常に注目されています。
利上げや利下げの情報があると相場は急変します。

また、オーストラリアは豊富な鉱物資源を保有している輸出国です。
そのため、資源相場の変動には大きく影響されます。

通貨ごとの相関で見ると、EURとの相関が非常に強いです。
これはアメリカでニュースが発生してUSD相場が変動したとき、その通貨ペアの相手方としてEURやAUDが選ばれるからだと言われています。

■NZD - こちらもスワップ狙いに適した通貨

AUDと同じく、ニュージーランドの通貨NZDもスワップ金利が高い通貨です。
こちらは「キウイ」の愛称で呼ばれています。

地理的にはオーストラリアのお隣に位置しますが、経済規模としては小さいため通貨の変動が大きいです。

2015年現在ではNZDのほうがスワップ金利が高く、通貨変動も大きいことを考えるとハイリスク・ハイリターンだと思います。
こちらもスワップ狙いの市場参加者が多いことから、政策金利の動向によって相場が上下します。

NZDは高金利で投資が流れ込むことから通貨高になる傾向にありますが、一方で輸出国であることから通貨安のほうが望ましいというジレンマがあります。
そのためニュージーランドの要人発言では通貨高を牽制するものが多いですが、毎度のことなので狼少年になってしまい、あまり効果は無いようです。

 

■ZAR - 南アフリカの高金利通貨

南アフリカの高金利通貨で、AUDやNZDといったオセアニア通貨に比べて政策金利が高いです。

ただ、売りと買いの価格差(スプレッド)が大きいため長期保有する必要があり、また通貨変動も激しいので、NZD以上にハイリスクハイリターンな通貨だと言えます。

南アフリカは世界第6位の金産出国であり、金価格に連動する性質があります。

ペッグ通貨

ペッグ通貨とは、その国の政策によりUSDなどの特定通貨と交換レートが固定されている通貨のことです。
レートが固定されているため、為替変動による利益狙いはできません。

為替変動が無いため、金利が低いほうの通貨を売り・高いほうの通貨を買えば、為替変動リスクを最小限に抑えながらスワップ金利を取ることが可能です。
さらに為替変動リスクが低いことを活かして高レバレッジを掛ければ、さらに多くのスワップ金利を受け取ることができます。

しかし、ペッグ通貨の欠点は、固定相場制を維持するため政策金利をペッグ先と同じにする必要があり、景気調整で必要な金融政策を放棄することとなります。
もし異なる政策金利としてしまうと、低金利の通貨から高金利の通貨へ一方的な資金の移動が発生し、その需給ギャップを中央銀行が吸収できなくなって固定相場制を維持できなくなるからです。

そのため、政策変更によってペッグが解除されるリスクが常につきまといます。
その場合はレートが急変するため、常に動向をチェックしておくことが大事です。

■HKD - ドルペッグ制通貨

香港ドルはドルペッグ制を採用しており、極めて限られた範囲でしか相場は動きません。
香港ドルを発行するには同額のUSドルを保有することが求められており、それが通貨価値の裏付けとなります。

■SGD - リスクヘッジ通貨

シンガポールドルは通貨バスケット制を採用しています。

通貨バスケット制とは、いくつかの通貨を基準に算定した額をもとにした固定相場制です。
ちなみに、算定基準となる通貨やその構成比は極秘となっています。ただ、USDやEURは含んでいるようで、近しい動きをしています。

通貨バスケット制は主要通貨を均した平均値です。そのため、特定通貨ペアで投資したときのリスクヘッジとして使えると思います。

通貨の特徴をふまえた投資戦略

■スワップ狙いなら!

スワップ狙いなら、高金利通貨と低金利通貨を組み合わせることが基本です。

そのため、AUD/JPY、NZD/JPY、ZAR/JPYなんかがおすすめです。
また、ドルストレートでAUD/USD、NZD/USD、ZAR/USDといった通貨ペアもあります。
他には、マイナーな新興国通貨も政策金利が高く設定されています。

ただし、為替変動による損失には注意です。
いくらスワップで利益を出しても、それ以上に通貨価値が下落して損失を出しては意味がありません。
そのため、いかに変動リスクを抑えるかがポイントとなります。
マイナーな通貨になるほど変動幅が大きく、ハイリスクハイリターンになりがちです。

感覚的に、下の通貨ペアへ行くほどハイリスク、ハイリターンになります。

  • AUD/JPY
  • NZD/JPY
  • ZAR/JPY
  • その他新興国通貨

また、スワップ金利でスプレッド(売りと買いの価格差)を回収するまでにある程度の期間を保有する必要があります。

■売買差益狙いなら!

売買差益を狙うなら、トレンドが素直で突拍子な動きをしない通貨ペアを選択します。

そのような通貨ペアを選ぶ基準としては次のようなものでしょう。

  • 取引高が大きい
  • 市場時間が重複している
  • 経済的に密接な関係がある
  • 地理的に隣接している

この基準を満たす通貨ペアは、なんといってもEUR/USDでしょう。
取引高No1の通貨ペアであり、21時~翌1時までは欧州と米国の市場時間が重なることから取引が活発に行われます。

他にUSD/JPYもありますが、日本ではヘッジファンドのような機関投資家による為替売買があまり行われないことから変動幅は控えめです。


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